CRAFT SPACE わのBLOG

2011年5月 記事一覧

2011年5月17日 02:59

東日本大震災から早2ヶ月あまり経ちました。
その間、実際にボランティア活動などで被災地に行き、惨状を目の当たりにされた方、被災された方々とともに過ごされた方も多くいらっしゃるでしょう。

1日も早い復興をと願いながら、それでも、悪条件は、なかなか改善されず、大切なものを失った悲しみを抱え、十分な休息をとることも出来ないまま働き続ける被災地の方々。加えて原発の放射能汚染のために、廃業し、故郷を捨てなければならなくなった方々の苦しみ、悲しみを思うと、言葉も浮かばず、自分の無力さを思い、ただただ胸が痛むばかりです。

これから、被災地への支援は、益々必要になるし、継続的に続けていかなければならないと思います。
自分に何ができるか。ボランティアに参加する。支援物資を送る等々。でも、心ばかりで闇雲にしても、時として迷惑にしかならない場合もあるようです。それなら、実際に現地でボランティア活動をしている団体などの後方支援をするのもひとつの方法かもしれません。

昨年の秋、私どもの店で、個展を開いてくださった京都の染色家 齋藤 洋さんが現地に行ったときのこと、また、彼が推進していらっしゃるメモリアルキルトの活動について便りを送ってくださったので、ご紹介します。(風の便り2011年5月6日) (被災キルト

 

もうひとつ、今度は、チャリティーコンサートのご紹介です。
こちらは、私どものお客様からご紹介を頂きました。世界的なチェンバロ奏者が被災地復興のためのチャリティーコンサートを東京と大阪で開くというものです。

東京は、6月1日(水) 上野学園 石橋メモリアルホールで。(詳細)

大阪は、6月3日(金) 茨木市クリエイト・センターホールで。(詳細) 

震災に心を痛め、交通費、出演料、宿泊費は自分持ちで日本のためにチャリティーコンサートを開きたいという提案が実現したということです。外国人アーティストのコンサートが次々にキャンセルされる中、海の向こうからこのように心を寄せてくださるなんて嬉しいですね。

音楽は心が癒されます。バロックの音楽は、教会で演奏されていたことが多いという印象からか特に祈りを連想させるような気が私はします。ひと時、静かに音楽を聴きながら被災地を思い、祈るのも良いと思います。公演の収益金は、被災地に寄付されるということです。参考

直接の被害が少なかった東京では、日が経つにつれ、地震の恐怖心が薄れ、いつもと変わらぬ日常を過ごせるために、被災地への関心も一過性で、最近は少し薄れてきているのではないかと心配になります。被災地では、継続的な支援が必要です。被災は、決して他人事ではなく、明日はわが身かもしれません。いつも心に留めておきたいと思います。


2011年5月16日 01:10

昨日(5月14日)、NHKのニュースを見ていたらヘルシンキの町並みが映しだされました。フィンランド在住の日本女性の方々が、被災地に赤ちゃん用のミルクを届けるために奮闘されているとのことでした。フィンランドで売られているのは、粉ミルクではなく液状で1回分が密封されたパックになっています。被災地では水も大変で、しかもお母さんはストレスのために母乳が出にくくなっているとのことです。液状ミルクはパックを開ければ、そのまま赤ちゃんに飲ませることができるため被災地のニーズにも合い、喜ばれているようです。

 

毎日だれかの「名前の日」

 

 365日はどこにいても変らないのだけど、お祝いの日・記念日などは国によって違いがあって「世界は広いな」と感じます。日本では普通の日が、フィンランドでは大切な日だったりする(逆も然り)と、ちょっとだけ異なる時間軸を感じることができて、少しうれしくなります。

 フィンランドのカレンダーが日本とちょっと違うところは、一日ごとに女の子や男の子の名前が書いてあるところです。たとえば、5月11日は「Osmo」オスモくんです。翌日は、「Lotta」ロッタさんです。わたしは初め、生まれた日で名前をつけるのかと思い込みびっくりしてしまいした。が、そうではなくて、フィンランドには誕生日以外にも、この日は「私の名前の日」とよべる日なのだそうです。ただ、誕生日ほど豪華な(?)ものではなくて、「今日はあなたの名前の日だね~」と言い合う程度のもののようです。たぶん、友達や同僚とちょっとしたコミュニケーションの手立てとなっているのか、それともその名前の人を思い出すきっかけになっているのかも。

 けっこう古くからの風習のようですが、新しい名前もそれが広まりだすとカレンダーに載るのだそうです。たとえばMinttu ミンットゥ(ミントという意味)という女の子の名前も最初はのっていなかったと、その名前の持ち主が言っていたことを思い出します。

 

白地に青の・・・

 カレンダーのことを書いていて、はずせないのが国旗マークのことかなと思います。フィンランドの記念日には、カレンダーに旗印がついています。そしてその日は、白地に青十字の旗が普通の人の庭先でも、バスから窓の外を眺めていてもあちこちでハタハタとたなびいていました。それは青い空にも、白い雪にも映えていましたし、フィンランドの風土にあっているように思えました。ただ日本から来たもので、国旗というものに少なからず複雑なものを感じていたので、あまりにもおおらかに自由にまっている旗がまぶしくもありました。

 ちなみに国旗マークのつく記念日は、フィンランドの文豪・独立記念日など、この国の礎(いしずえ)を築いたことが元となっている日です。ちなみに今日(5月15日)は、戦没者記念日です。こういう悲しいけれど大切な日、旗は竿の天辺まで上げず、竿の真ん中あたりでとどめておくもののようです。(これは、半旗といって、弔意を表すものです。) 永井涼子

 

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2011年5月 2日 02:07

 

 桜前線が東北へと向かったようです。桜が東北を元気づけているのでしょうね。

 

今日、5月1日、メーデーですね。フィンランドではこの日はVappu(ヴァップ)と呼ばれ、日本とはかなり色合いが違っています。

ヴァップの光景は、まずなんといっても船長さんのような帽子をかぶっている人がたくさん町にくりだして、楽しそうに笑っていることから始まります。帽子は頭の部分が白地で、黒のつばがキャップのようについていて、帽子の真ん中に金色の丸い印が光っています。私ははじめ、なぜみんな船長帽子をかぶっているのか不思議でした。じつはこれ、高校を卒業した人の証です。年季が入るほどその帽子はいい具合にくたびれていき、まだ若い人のものは真っ白です。風景に欠かせないのは、また色とりどりの風船です。

また今日は、ヘルシンキだと海沿いにあるカイヴォプイスト公園でピクニックをすることが恒例になっています。いい場所をとるために早くから場所取りをしている人もいて、日本のお花見のようです。ヴァップの食べ物は、ドーナツとイーストを発酵させて作ったシーマという甘酸っぱい飲み物です。

ただこの日は、かなり無礼講とあって悪酔いする人もいるので、ご用心!

 

                           永井涼子